新作ブラジル盤紹介■月刊ラティーナ5月号より■その1

月刊ラティーナ5月号で紹介したブラジルからの輸入盤を紹介していきます。まず、イヴェッチ・サンガロのライヴベスト盤(CD/DVD)、ネイ・マトグロッソの6枚組CDBOX、イヴォール・ランセロッチ新作、サンドラ・ヂ・サー未発表曲集です。

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アゲアゲなベスト盤的作品

IVETE SANGALO SAI DO CHÃO - O CARNAVAL DE IVETE SANGALO イヴェッチ・サンガロ サイ・ド・シャオン - オ・カルナヴァル・ヂ・サンガロ - ウインドウを閉じる

●IVETE SANGALO / SAI DO CHÃO – O CARNAVAL DE IVETE SANGALO●
●イヴェッチ・サンガロ / サイ・ド・シャオン – オ・カルナヴァル・ヂ・サンガロ●

CD:2160円(税込)
DVD:2,808円(税込)

ブラジル・ポップ界の頂点に君臨し続ける女王、タイトル通りのカルナヴァル仕様、アゲアゲなベスト盤的作品が発売です。バンダ・エヴァのヴォーカルとしてデビュー、ソロになった後もアシェー・クイーンとして人気曲を量産し、地元サルヴァドールでのMTVライヴ盤のメガ・ヒットによってブラジル全土を巻き込むスターの座を不動のものにしたイベッチ。本作にはそんな彼女のエヴァ時代から現在までの新旧人気曲が散りばめられており、そのキャリアを振り返るのにも持ってこいの1枚です。大半はライヴ音源ですが、最新スタジオ録音作(1)、そして去年売れに売れたクリオーロとのチン・マイア・カヴァー集の冒頭を飾った(7)の収録は嬉しいですね。尚DVDはCDとは曲目が異なり、過去10年間のライヴ・ベスト的な内容になってます。カラフルで巨大なステージ、ダンサーの華やかさなど、最近のイベッチのショウのゴージャスさを体験したい方は是非コチラを。【月刊ラティーナ2016年5月号 掲載 text:宿口 豪】

▪️Ivete Sangalo – O Farol // Ao Vivo▪️

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「ネイに駄作なし」期待に応えてくれる作品群


NEY MATOGROSSO ANOS 70 (6CD) ネイ・マトグロッソ アーノス 70(6CD) - ウインドウを閉じる

●NEY MATOGROSSO / ANOS 70 (6CD)●
●ネイ・マトグロッソ / アーノス 70(6CD)●

6CD 11,340円(税込)

ネイ・マトグロッソの70年代がリリースした6枚のソロアルバムがリマスターされ、BOXセットとして再発された。現在まで素晴らしい作品と残し続けるネイにとってどんな時代だったかというと、人気絶頂のバンド「Seco & Molhados」を脱退し、ソロのスタートを切った時期である。74年に脱退し、75年からソロ活動をスタート。最初のアルバムも75年のリリース。年に1枚のハイペースでリリースしており、75年〜80年の間にリリースした6作が収録されている。この中で一番のヒット作となったのは1978年リリースの『Feitiço』で、3曲のヒット曲を含んでいる。ただ、このリリース後に軍政令(AI-5)が発令され、選曲/活動が制限されるようになってしまった。しかしながら、多くの作家が彼に喜んで新曲を提供するような状況が確立されており、ジョビン、ジョイスなどが『Seu Tipo』で楽曲提供している。「ネイに駄作なし」期待に応えてくれる作品群である。【月刊ラティーナ2016年5月号 掲載 text:花田勝暁】

CD1: AGUA DO CEU – PASSARO (1975)
CD2: BANDIDO (1976)
CD3: PECADO (1977)
CD4: FEITIÇO (1978)
CD5: SEU TIPO (1979)
CD6: ESTRANHO (1980)

▪️Ney Matogrosso – América do Sul – vídeo clip▪️

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歌う声には年齢以上に枯れた渋味がにじみ出ている71歳

IVOR LANCELLOTTI TUDO QUE EU QUIS イヴォール・ランセロッチ トゥード・キ・エウ・キス - ウインドウを閉じる

●IVOR LANCELLOTTI / TUDO QUE EU QUIS●
●イヴォール・ランセロッチ / トゥード・キ・エウ・キス●

CD:2160円(税込)

ドメニコの父、イヴォール・ランセロッチは今年71歳。抒情的なサンバ・カンサォンを中心に、ネルソン・ゴンサルヴィス、エリゼッチ・カルドーゾ、クララ・ヌネスなどに曲を提供してきた。初リーダー作の発表は86年で、ドメニコとモレーノ・ヴェローゾがプロデュースしたアルバムなどを経て、この新作が通算5作目。息子のドメニコ、アルヴィーニョとの共作をはじめ全曲オリジナルで、ファドやヌエバ・カンシオンに通じる感触の曲もある。決して上手い歌手ではなく、ギターを弾きながら語りかけるように歌う声には年齢以上に枯れた渋味がにじみ出ているが、同時に何とも言えない上品な色気がただよい、一人の男としてはまだまだ枯れていない。バックも必要最小限のシンプルな編成で、曲によりドメニコやペドロ・サーも参加。小さな音量でも息づかいや歌ごころが伝わってくるので、一人きりの深夜に聴くことをお勧めする。【月刊ラティーナ2016年5月号 掲載 text:中原 仁】

▪️Tudo Que Eu Quis – Ivor Lancellotti▪️

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この人の声ヂカラに改めて惚れ惚れ

 

SANDRA DE SÁ LADO B サンドラ・ヂ・サー ラードB - ウインドウを閉じる

●SANDRA DE SÁ / LADO B●
●サンドラ・ヂ・サー / ラードB●

CD:2160円(税込)

ブラジル/サンバ・ソウル/女性歌手というキーワードで新譜を必ずチェックするのはエウザ・ソアレス、パウラ・リマ、エレン・オレリア、そしてこのサンドラ・ヂ・サーだ。彼女もこれで18枚目の作品(還暦だそうな!)今回は収録曲7曲なのでEPの扱いか。過去にリリースしヒットした曲のセルフカバーが多いにも関わらず、録音/アレンジも新たにし、ゲストを入れているので新鮮に聴ける。サウンドはロック、サンバからバラード系もあるが、デビュー当時からの一貫したソウルネスも期待通りで嬉しく、極めつけはバイリ・ファンキ!当然ハマる!最新作も最高のブシェーシャ 2. 、パゴーヂ界隈からシャンヂ 3. /チアギーニョ 4. 、さらに人気沸騰中メラニーナ・カリオカ 6. と一回り以上も下の世代を巻き込んでいるのを聴くと、彼女の創作意欲が衰えないことが窺える。過去作品も聴き直し、この人の声ヂカラに改めて惚れ惚れしてしまった。【月刊ラティーナ2016年5月号 掲載 text:村田匠(カルナバケーション)】

▪️Sandra de Sa VOU FICAR – (LadoB Musica Inédita)▪️

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