フランシスコ教皇からグスタボ・セラッティへの手紙

 8日、2010年より昏睡状態にあるアルゼンチンのロックバンド〈ソーダ・ステレオ〉の元ボーカル、グスタボ・セラッティの母親がテレビ番組に出演し、フランシスコ教皇よりグスタボに送られた手紙を読み上げた。

 ミュージシャンに焦点を当てたアルゼンチンのテレビ番組「Gracias por venir, gracias por estar」が今回、グスタボ・セラッティの特集を組み、そこへグスタボの母親リリアン・クラークが電話出演した。その中で、是非とも昏睡状態にあるグスタボのために祈りを捧げて欲しいという手紙に応え、フランシスコ教皇からグスタボへ送られた手紙の全文が読み上げられた。

「グスタボ・マソ(グスタボ・セラッティの本名)さん
先月20日の手紙に感謝します。
わたし自身に、グスタボともう一度向き合う機会をくださいました。
というのも、人生はわたしたちに慣れというものをもたらしますね。
そうやって人生は続くのです。
待ちましょう。
消えてはまた現れるのです。
一番残酷なものは忘れることです。
われらがボルヘスも言ったように、忘却なのです。
そう、神からの。
しかし、わたしたちの間に残酷な忘却は存在します。
記憶の風を吹かせてくださり感謝します。

わたしは祈ります。
貴方の母リリアンが待ち続けるという強さを示し、そしてわたしは彼女と共にいます。
母と子という神聖な関係を前にわたしが何か言うのは難しいものです。
しかしわたしの静かな祈りをどうか受け入れてください。
このまま祈り続けます。

どうかお祈り下さい。
あなたに神のご加護がありますように。
聖母があなたをお守りするように。

心より、フランシスコ」

祈りが届く日を待ち続けたい。Sa

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