マンゲイラ創立者の一人、カルトーラのミュージカル公開

カルトーラの生き様を綴るミュージカル『カルトーラ-人生は風車』

カルトーラの生き様を綴るミュージカル『カルトーラ-人生は風車』

エスコーラ・ジ・サンバ、マンゲイラの創立者の一人でありブラジル音楽やサンバを語る上で最も重要な人物の1人であるCartola(カルトーラ)の生き様を、サンビスタ達の愛で綴るミュージカル『Cartola – O Mundo É Um Moinho=カルトーラ-人生は風車』が、3月15日にリオのセントロ地区に位置する老舗Carlos Gomes劇場で幕を開けた。

サンバの歴史を伝える物語でもあるこのミュージカルの主人公を演じるのは、Flávio Bauraqui(フラビオ)。2007年に公開された、ノエル・ホーザの生涯を綴った映画「Noel – Poeta da Vila=ノエル・ホーザ〜リオの詩人」でIsmael Silva(イズマエル・シルヴァ)役を演じた俳優だ。今回の配役は、カルトーラとその妻ドナ・ジカの孫で、サンバ博物館の創立者であるNilcemar Nogueiraから直接、カルトーラ役ににぜひとフラビオにお声がかかったという。それもそのはず、このミュージカル以前にも、幾度となく、彼はカルトーラを演じる機会があったのだ。遠い客席からででも舞台にはっきりと映し出されるカルトーラの姿は、まるで魂がよみがえり舞台にカルトーラがいるかのように思える。主役を演じるフラビオは幾度となく、カルトーラの親族に招かれ、カルトーラの孫、ひ孫と交友を重ね、一緒に過ごす時間を共にして来たという。

物語は、彼が創立したEstação Primeira de Mangueira(エスタサォン・プリメイラ・ジ・マンゲイラ)への愛情を語り、音楽の表舞台から去った苦悩、その背景に映された人々の心、そして、彼と共に生きた仲間Carlos Cachaça(カルロス・カシャーサ)との友情、生粋のボヘンミアンの彼を支え26年間結婚生活を共にしたドナ・ジカとの出会い、を数々の名曲と共にパロディーで綴る。

カルトーラとは、詩、愛、女を語ること。彼の音楽は、ハーモニーと数々の作品にリスペクトを重要視しなければならない。彼のサンバを聞くと、現実と違う世界へと導かれるのが不思議だ、とフラビオが語る。

最後のシーンで歌われるサンバ「MestreCartola」は、このミュージカルのためにArlindo CruzとIgor Legalが書き下ろした作品である。

学問をまともに受けれなかったカルトーラが、なぜ人の心に響く珠玉の言葉で感動させるのか、シーン毎に流れるメロディーとリズムに18名の役者と8名のミュージシャン、総勢役100名のスタッフ達の手によって、今に生き、そして未来に歌い継がれる名曲サンバが色鮮やかに心に響くステージ。このミュージカルは5月28日迄、同劇場で上演される。

(リオデジャネイロ●MAKO)


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